10月31日はHalloween

ハロウィンといえば、カボチャですよね。 あのカボチャの名前が、ジャック・オ・ランタンと言って、 妖精というか、幽霊というか、日本で言うと“鬼火”、“狐火”、“火の玉”にあたるような存在です。 このジャック・オ・ランタンには、色々な呼び方があって、 妖精という視点でみると、一番有名なのは「ウィル・オ・ザ・ウィスプ」という呼び方です。 どうして、こんなものができたのか・・・。こんなお話があります。



ある所に、口の達者な鍛冶屋がいました。 悪いことばかりしていましたが、反省も後悔もしないという人間でした。 その鍛冶屋の名前が、Jackだったとか、Willだったとか・・・。 (この名前、一般的な名前なので、単純に「男」という意味で使われることが多い。)

ある時、鍛冶屋は喧嘩をして、とうとう相手に殺されてしまいました。 そして鍛冶屋の魂は天へ上って、死者の行き先を天国か地獄に分ける判断をしている 聖ペテロの前にいきました・・・。 鍛冶屋は悪いことばっかりしていたので、当然地獄・・・ と、思いきや、口の上手さで聖ペテロまでも騙し、 なんと、生き返らせてもらうことになります。

ラッキー♪とばかりに生き返った鍛冶屋は、 2度目の人生も、反省の様子なく、悪行三昧・・・。 そして、2度目の死を迎えて、再び聖ペテロの前へ行くと、 「お前の魂など、天国にも地獄にも入れる訳にはいかん!」 と、追い返されてしまったのです。 鍛冶屋は仕方なく、天国でも地獄でもない世界を歩き回り、 永遠にさ迷う魂になってしまったのでした・・・。

そんな鍛冶屋を見ていた悪魔たちが、 鍛冶屋に地獄の劫火の燃えさしを、明かり代わりにくれたんだそうです。 それから地上にも、ときどきぼんやりと火の玉が浮かぶようになりました。 燃えさしを持っている鍛冶屋は人間の目には見えないので、火だけが浮いているように見えるそうです。 また、火を持ちやすくするために、カブをくりぬいて提灯を作り、 そこに火を入れたという話もあります。

遠くにぼんやりと浮かぶ火を見つけて、正体を確かめようと、この火を目指して歩いても、 まったく近づけなかったり、底なし沼に落ちてしまったり、谷底に転落してしまうそうなので、 見かけても決して近づいてはいけないんだそうです。




ウィル・オ・ザ・ウィスプ(Will O' the wisp)とは、「種火のウィル」という意味。 ジャック・オ・ランタン(Jack O' Lantern)も、「提灯のジャック」というような意味です。 その他にも、「イグニス・ファテュウス」(Ignis Fatuus)「愚かな火」、 「ヒンキー・パンク」(Hinky-Punk)「妖精の付け火」、 「死のロウソク」、「ジェニィの燃えるしっぽ」、「スパンキー」などなど、 “鬼火”の仲間の名前や、それにまつわるお話はたくさんあります。

これらの“鬼火”は、沼地の多い地方に、残っている伝承なのですが、 実際、沼地などで発生するメタンやリンなどのガスが燃えて、 火の玉が発生することがわかっています。 そういった場所に近づいてしまうと、本当に危険なので、 こんなお話ができたんでしょうね・・・。 ちょっと怖い話ですが、死体からもガスが発生します。 日本でも土葬の時代は、お墓から発生するガスが燃えて、火の玉ができたのでしょうね。

ちなみに、ジャック・オ・ランタンといえば、カボチャですね。 しかし、先ほどのウィル・オ・ザ・ウィスプは提灯にカブを選んだとお話しました。 どうしてカブがカボチャになったのでしょう?  実は、現在のカボチャになったのは、アメリカに移住したアイルランド人が、 身近にあったカボチャが彫りやすく、火をいれても大丈夫だったため、 カボチャになった・・・という、実用的な理由でした。 しかし、カボチャのオレンジ色には“収穫”を表す意味もあるため、カボチャのほうが良いのかも。


そして、ハロウィンは、一年の中でも妖精に出会う可能性が最も高い日のひとつです。 仮装パーティーに、“ホンモノ”が紛れているかもしれませんよ・・・★




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