イングランド北部にボガートという家つき妖精の伝説があります。
ホブゴブリンやブラウニーの仲間だと言われますが、
イタズラが悪化しているので、ホブゴブリンが転落したものだとも言われます。
ハリー・ポッターに「まね妖怪ボガート」という、
相手の怖いものに変身する妖精が出てきましたが、そのモデルの妖精です。
外見は、黒っぽくて毛むくじゃらだったり、ぼろぼろの洋服を着ていたりと、
ブラウニーの要素と、ハリポタの屋敷しもべ妖精を合わせたような感じでしょうか。
そして、ちょっと手足が不恰好という特徴があります。
時々はお手伝いをしてくれるようですが、ボガートのお話を調べると、
ほとんどイタズラの話しか出てきません。
ボガートのイタズラを並べてみると・・・
・夜、ベッドに入り込んできて、じっとりした手で寝ている人の顔を触る。
・寝ている人のベッドのシーツを引き剥がす。
・農場の道具が、勝手になくなる。
・その辺の人の耳を引っ張る。
・小さな子どもをつねる。
・ミルクのビンをひっくり返す。
・猫を脅かす。
・ロウソクの火を吹き消す。
などなど・・・。
たいしたイタズラはしませんが、ポルターガイストと良く似ています。
猫が何もいないところに向かって、フーッと警戒している時は、ボガートがいるのかもしれません。
イタズラの一つ一つは大したことではなくても、こんなことが毎日何十回も起こったら、
住んでいる人たちはたまったものではありません。
そこで当然のことながら、こんな家、引っ越そう!ということになるんですね。
引越し先を見つけて、荷物を積んで、さぁ出発!という段になると、
荷物を積んだ荷車に、ボガートも一緒に乗っているらしいです。
どこへ行っても、ボガートがついてくるのなら・・・と、引越しは中止になるというお話や、
引越し先でもボガートの被害にあうというお話が伝わっています。
家のドアに、スリッパを引っ掛けておくと、ボガートは家に入らないとか、
ボガートが気づかないうちに引っ越せば、ついてこないという話もありますが、
ボガートにつかれたら、ちょっとやそっとでは離れてくれないようです。
このボガートがもっと悪くなると、ボーグルになり、
さらに悪くなるとドービーというものになるんだそうです。
家にブラウニーやホブゴブリンが住んでいそうな方、
部屋の隅にミルクを置くのを、くれぐれもお忘れなく!
ボガートになっちゃうと、大変です!!
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