fairyの好き嫌い

Edmund Dulac/『The Tempest』より
妖精はきれい好きなものが多く、きれいに片付いた台所や清潔な暖炉、きれいな水を好むそうです。 家に着く妖精は、家事を完璧にこなす主婦の味方をしてくれます。(ときどき散らかして困らせることもありますが。) また静かな月夜に人気のない草原に現れて、音楽や歌を楽しんだり、踊ったり、球技(ハーリング)や乗馬を楽しむのが好きです。 こういった妖精のパーティーの後は、草原に不思議な円形の跡を残すことがあります。 ときには市場を開いていることもあり、妖精の市場に紛れ込んでしまった人の話も伝わっています。

一方で妖精が嫌いなものもあります。有名なのは、ですね。 幸運のお守りといわれる馬の蹄鉄も、実は妖精避けの一つです。 ドアの前に蹄鉄をかけておくと、妖精が入ってこないとされました。 また、赤ん坊のゆりかごのそばに針を置いておくのも、妖精避けです。 他にも腐った水や、人間の汚水、塩水、聖書、聖水、ニワトリの鳴き声や、教会の鐘の音、 妖精が“これはしないで”と願ったタブーを犯すことは大嫌いです。 例えば、三度叩かない、夜中に外出する理由を尋ねない、といった約束を破ると、 妖精は姿を消してしまうだけでなく、約束を破った人間の命を狙うことさえあります。

妖精は人間に姿を見られることを嫌いますが、妖精界と人間界が近づく日や時間があるといわれ、 メイ・デイ(5月1日)、夏至の前夜、ハロウィンは妖精が出歩く日とされます。 真夜中や日暮れ、日の出の直前、太陽が頭のてっぺんに来て影の消える正午には、妖精が見えるそうです。 こういった日には、妖精たちが大騒ぎをして駆けずり回り、出会った人間をさらうと考えられ、 不思議な風が吹いてきたり、物音が聞こえてくると、人々は戸を硬く閉ざし、決して外に出ないようにしたと言います。 ハロウィンに飾るジャック・オー・ランタンや仮装をする文化も、妖精にさらわれないように 妖精を驚かせたり、妖精と同類に見えるようにすることが目的でした。

一方、妖精を見たいのなら、四葉のクローバーを頭に乗せる、 特殊な軟膏をまぶたに塗るという方法が伝わっています。 この特殊な軟膏は、オリーブ油、バラの花びら、マリーゴールドで作れるようですが、 残念ながら詳しいレシピは見つかりませんでした。。。 妖精自身がこの軟膏を持っている場合もあるようで、人間と妖精のハーフの子供に、 この軟膏を塗っている話もあります。 しかし、妖精に“妖精が見えていること”を悟られてはいけません。 妖精たちは人間に見られることが嫌いですので、見えていることが分かると、 目を潰されてしまうかもしれません! あくまで、妖精のプライバシーは侵さないことが賢明です。

最後に、もう一つ注意点を。妖精は“妖精”とか“Fairy”とか、人間がつけた呼び名で呼ばれるのが好きではありません。 「あの人たち」とか、「小さい人たち」、「気の良い人たち」「平和好きの人たち」「丘の人たち」など、 ちょっとご機嫌をとった呼び方をしましょう。

以上、とっても長くなりましたが、フェアリーの概要です。 妖精のイメージが、つかめたでしょうか? 少しでも妖精のイメージが広がっていると嬉しいです。





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