ギリシア神話では、世界の最初には、カオスと呼ばれる混沌があった、と考えています。
カオスは女神とも言われますが、何も無い空間に、何かになりそうな予感だけが渦巻いている、
はっきりしない世界、と、捉えた方が良いかもしれません。
何も無いカオスから、大地ガイアや、暗黒のタルタロスが生まれます。
ガイアも女神だとされ、世界の基礎と、神々や生き物の祖を生みます。
まずガイアが一人で生んだのが、天空神ウラノスと、海の神ポントスでした。
このウラノスは息子でありながら、ガイアの夫となります。
そして、ティタン神族と呼ばれる巨大な神様や、巨人族、一つ目の巨人キュクロプス、
頭が50個に手が100本もあるというヘカトンケイルといった、怪物が生まれてきます。
ウラノスは、最初に世界の王になった神様ですが、生まれてきたキュクロプスやヘカトンケイルが、
あまりにも醜かったため、ガイア(大地)の下、冥界ができるところよりも更に下にある、
暗黒の世界タルタロスに、彼らを幽閉してしまいます。
(ちなみガイアとタルタロスの間にも子どもがいて、怪物の祖になっています。)
いくら怪物とはいえ、わが子をタルタロスに閉じ込められた
ガイアは、息子であり夫のウラノスに腹を立てますが、
ガイア(大地)の上に覆いかぶさるほど大きなウラノス(天空)には、かないません。
そこで、ガイアは、末息子であるティタン神族のクロノスに、
ウラノスを殺すように頼みます。(怖!)
ジョルジョ・ヴァザーリ/『The Mutiliation of Uranos』 (1560年)
↑横たわっているのがウラノス。鎌を持っているのがクロノス↑
クロノスは、ガイアが研いだ鎌で、ウラノスを7つに切り刻み、
それぞれを7つの海に沈めたそうです。(怖っ!)
別の説では、ウラノスを去勢しただけとも。。。
この時、ウラノスの男性器が落ちた海から、
アフロディテが誕生した・・・というお話は、アフロディテのページをご覧ください。
一方、ウラノスの頭は、海に沈む前にクロノスに予言をしました。
「お前は父である私を殺し、私の王座を奪った。
お前も、自分の息子に同じことをされるだろう。」
こうして、神様の代が変わり、クロノスが王になりました。
クロノスは農耕の神様で、姉のレアと結婚しますが、
ウラノスの予言が実現することを恐れ、恐ろしいことを始めます・・・。
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