ヘラクレスが参戦し、この「ギガントマキア」と呼ばれる戦いは激しいものになりました。
ゼウスは稲妻を放ってギガスたちをなぎ倒し、
矢の名手である兄妹、太陽の神アポロンは金の矢を、
月と狩りの女神アルテミスは銀の矢を放ち、猛然と暴れるギガスたちと戦います。
戦いの女神アテナは槍をふるい、敵わないと知って逃げる相手にシチリア島を投げつけました。
また、倒したギガスの皮を剥いで、自分の盾に貼り付けたという逸話もあります。
美の女神アフロディテの夫で鍛冶の神ヘパイストスは、溶けた鉛をひしゃくにすくって浴びせかけ、
海の神ポセイドンはコス島の一部を投げつけて大立ち回りをします。
神々の伝令であり、旅人と商人、そして泥棒の神様ヘルメスは、冥界の神ハデスから
被ると姿が見えなくなる兜を借りて、ギガスに不意打ちをかけました。
そうしてオリンポスの神々が、ギガスたちに重症を負わせたところを、
ヘラクレスが次々とヒュドラの毒をぬった矢を射って、止めを刺したわけです。
少々てこずっていたのが、神々の女王ヘラです。
ポルピュリオンという、ギガスのリーダー格を相手に戦っていたのですが、
ポルピュリオンがヘラの美しさに欲情してしまいます。
(別の意味で)襲い掛かかるポルピュリオンに服を破かれてしまったヘラは、悲鳴を上げました。
ヘラの悲鳴を聞きつけたゼウスは怒り狂って、ポルピュリオンに稲妻を投げつけました。
そこへヘラクレスが止めをさしたとも、逃げていったとも言われます。
ただ、ギガスたちがヘラクレスが生きている間は敵わないと判断し、
「ヘラクレスの死後戻ってくるぞ!」と言って去ったため、
ヘラクレスを死なせるわけにいかなくなった神々が、
ヘラクレスを神の仲間に入れた、という説もあるので、
逃げてしまったのではないかと思います。
ともかく、ヘラクレスの活躍で、ギガントマキアは終息に向かいます。
ヘラクレスの矢を受けなかったギガスの中には、山の下敷きになって火山になったものもいました。
しかし、またしても息子たちを殺されたガイアが黙っているわけがありません・・・。
ガイアが用意した、ギリシア神話史上最強の怪物の登場です。
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