ヘラクレスは、ご存知の通りギリシア神話の最大の英雄です。
ローマ神話ではヘルクレス(Hercules)と呼ばれています。
このヘラクレスを巡る神話の中には、日本でもお馴染みの十二星座の誕生物語など、
星にまつわるお話がいくつか含まれています。
さらに、ヘラクレスは単なる英雄ではなく、ゼウスの懐刀でもあります。
ヘラクレスはゼウスと人間の女性アルクメネの子供なので、半神半人と言われますが、
アルクメネは、同じくゼウスの子供で英雄のペルセウス(メデューサを倒した)の孫なので、
「人」としての血は薄いようです。しかし、長い間人間として生きました。
ヘラクレスは双子で生まれてきましたが、ヘラクレスはゼウスの血を、弟は人間の血という、
ちょっと不思議な双子です。
というのも、アルクメネを見初めたゼウスが、アルクメネの夫に変身して思いを遂げ、
翌日本物の夫が帰ってきたため、アルクメネは神の子と人間の子の双子を産むことになったのです。
ゼウスは生まれてきたヘラクレスに不死の力を与えようとして、
妻ヘラの母乳を与えようとしました。
しかし、浮気相手の子供ですから、突然つれてきた赤ん坊に、「乳をやってくれ」などと
あのヘラに言えるわけがありません。そこで、ゼウスはヘラが眠っている間に
こっそりヘラの胸元に赤ちゃんヘラクレスを置いたのでした・・・。
ところが、赤ちゃんヘラクレスの力が強すぎて、
ヘラはびっくりして飛び起き、赤ちゃんを突き飛ばします。
この時飛んだ母乳が、天の川(Milky Way)になったそうです。
これを恨んだヘラは、密かにヘラクレスと双子の兄弟が眠るゆりかごに2匹のヘビを送り込みます。
ところが、赤ちゃんヘラクレスは、素手でヘビを絞め殺してしまいました!
人間の女に産ませた子供にヘラの母乳を与えようとするゼウスが、いかにヘラクレスを愛しているか、
そしてヘラクレスがどれほど特別な子供であるかを察知したヘラは、
ヘラクレスを激しく憎むようになりました。
そして、ヘラによるヘラクレスいじめがスタートするのです・・・。
大きくなったヘラクレスは、半人半馬のケンタウロスの賢者、ケイロンに武術を教わります。
赤ちゃんでヘビ退治をするぐらいですから、ヘラクレスはあっという間に強くなりました。
そして、ある戦いに参加し勝利を導いたヘラクレスは、王様から娘のメガラを妻とすることを許されました。
ヘラクレスとメガラは3人の子供をもうけ、幸せに暮らしていました。
が、この幸せは長くは続きませんでした。
ある日、ヘラがヘラクレスに“狂気”を送り、
ヘラクレスは自分の子供たちを火の中に投げ入れてしまいます!
それを悲しんだメガラも自殺してしまいました。
正気に戻ったヘラクレスは、罪を償うためにアポロンの神託を受けます。
そこで、「ミュケナイ王に仕え、10の勤めを果たせ。」と言われ、
ヘラクレスはミュケナイ王に仕えることになりました。
そして、ヘラクレスの有名な「12の功業」が始まります。
あれ?「10」じゃなかったけ?
続きは、また次回・・・。
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