ステュムパリデスの怪鳥
6番目の難業です。
ステュムパリデスの鳥とは、翼、爪、くちばしが青銅でできた鳥で、
ステュムパロス湖畔の森に住んでいました。
凶暴な怪鳥で人間を襲い、排泄物で田畑を荒らす厄介者だったので、これを退治しろという命令でした。
まず、ヘラクレスは鍛冶の神ヘパイストスから、
ヘパイストスの工房で働いている一つ目の巨人キュクロプスの目覚まし用に使っている、
とてつもなく大きな音が出るガラガラを借りてきます。
一説には、ヘラクレスを守護していた女神アテナがヘパイストスに作らせたとも言われます。
このガラガラを鳴らして、驚いて飛び立った怪鳥を
ヒュドラの毒を塗った矢で射落とし退治しました。
クレタの牡牛
クレタ島の王様ミノスが飼っている見事な牡牛を生け捕りにするという仕事です。
この牡牛はいわくつきの牛で、ミノス王が海の神ポセイドンに捧げるべき牛を惜しんで、
別の牛でごまかしたため、ポセイドンが怒って、王妃パシパエがこの牡牛に恋をするよう呪いを送りました。
パシパエは牝牛の被り物を被って牡牛と交わり、頭が牛で身体が人間の怪物ミノタウロスが生まれてしまうのです。
つまり、ミノタウロスのお父さん牛なのですが、この牡牛も凶暴で手を焼いていたミノスは、
ヘラクレスに協力とまではいかないまでも、黙って生け捕りを許しました。
ヘラクレスは牡牛をミュケナイ王のところへ連れて行った後放したそうです。
ディオメデスの人喰い馬
トラキア王だったディオメデスは、旅人を捕らえて
自分の飼っていた人喰い馬に食べさせていました。
ヘラクレスはこっそり馬を盗んで船で去ろうとしましたが、ディオメデスの軍勢に見つかり、
結局戦うことになります。軍勢を撃退したヘラクレスは
ディオメデスを捕らえ、馬に食べさせてしまいました・・・。
なぜかこれがきっかけで、人喰い馬はおとなしくなってしまったそうです。
馬は生け捕りにし、ミュケナイ王に見せた後、これまた放したそうです。
が、トラキアへ帰ろうとする途中、馬は野獣に襲われて殺されてしまったそうです。
アマゾンの女王の腰帯
アマゾンとは女性だけの部族で、戦いも強く、ギリシアの勇敢な戦士たちにも恐れられていました。
アマゾンの女王ヒッポリュテの腰帯は、一族の長を現すものでしたが、
これをミュケナイ王の娘が欲しがったので、ヘラクレスに取って来いとの命令がくだされたのです。
ヘラクレスは軍勢を率いてアマゾンの国へ行きました。
女王に交渉すると、意外にも簡単に「自分たちとの間に丈夫な子を作る」ことを条件にOKしてくれました。
しかし、ヘラクレス嫌いのヘラが妨害します。
アマゾンの女兵士に化けて、女王が連れ去られると騒いだ為、ヘラクレス軍と戦いが起こってしまいます。
ヘラクレスは女王が裏切ったのだと思い、女王を殺して腰帯を奪ったとも、
人質をとって腰帯と交換したとも言われます。
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