ユールキャット

グリーラとレッパルージには、一緒に暮らすペットがいます。ユールキャットと呼ばれる、真っ黒で巨大なネコです。このユールキャットは、飼い主の恐ろしい面を引き継いだ恐ろしいネコです。二つのギラギラした目は、勇敢な大人の男性でも見るのが恐ろしいほどで、大きなカギ爪をもち、背中を丸めて今にも飛びかかろうとしている姿がイメージされています。

ユールキャットは、クリスマスに新しい衣類をもらえなかった子供を襲って食べてしまいます。なぜ新しい洋服をもらえないと、ユールキャットに襲われてしまうのかというと、これも貧しかったアイスランドの事情が関係しています。秋から冬にかけて、羊毛を紡ぎ、衣類を作るという仕事がありましたが、これがとても大変な作業なのだそうで、この仕事のご褒美が、新しい衣類だったのだそうです。つまり、新しい衣類をもらえなかった人は、怠け者だったということ。それでユールキャットに狙われてしまうわけです。小さな子供をもつお母さんは、子供たちのために一生懸命くつ下や帽子を編んで、クリスマスに子供たちに着せていたそうです。


アイスランドのクリスマスのキャラクターたちを見ていると、何だかクリスマスまでにしっかり働いて冬を迎える準備をし、新しい服を着て、家中をきれいにしておきましょうと言っているようですね。




 

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