ニコライ・チュドヴォリッツ
ロシアの民間伝承に登場する冬の精霊と聖ニコラスが混ざったような存在です。
ニコライは聖ニコラスのことですが、キリスト教が伝来する以前から、ロシアの冬おじさんの一種として
ロシア全土に伝わっていたようです。
エピファニー(1月6日)の夜に、トナカイの引くソリに乗ってロシアの空を駆け回り、
家々に内緒でプレゼントを届けてまわりました。
大人にも子供にもプレゼントをくれるそうで、プレゼントを配り終えると、
煙突から立ち上る煙とともに姿を消すのだそうです。
ずいぶんサンタクロースに似ていますね。
もとを正せばキリスト教や聖ニコラスと何の関係もなかったニコライ・チュドヴォリッツですが、
ロシア革命で宗教活動が禁じられたことから、ロシア版サンタの地位を別の精霊に譲ることになります。
ジェド・マロースとスニェグーロチカ
ジェド・マロースはファーザー・フロストとも呼ばれる、ロシアの民話の登場人物です。
名前の意味は「厳寒おじさん」。その娘とか孫娘といわれるのが、スニェクーロチカで「雪娘」という意味です。
ロシア革命で社会主義体制になると、宗教活動が禁止され、聖ニコラスに変わる
クリスマスのシンボルの地位を受け継いだのが、このジェド・マロースとスニェグーロチカです。
ジェド・マロースはニコライ・チュドヴォリッツの子孫とも言われ、北極圏の森林や荒野に住んでいます。
毛皮の服を着た、白髪、白く長い髭を生やした姿で、森の中を歩き回っています。
不注意な旅人がジェド・マロースに出会うと、彼の腕に抱かれて旅人は凍えてしまうのだといわれます。
一方のスニェグーロチカは、雪の精の娘で、流れるような長い髪をした美しい娘です。
民話によると、子供のいない老夫婦が雪で理想の孫娘の像を作ったところ、
雪の像が命を得て、老夫婦が本当の孫娘のように大切に育てたのだそうです。
スニェグーロチカはスラブの牧夫と恋に落ちましたが、夏の太陽がスニェグーロチカを溶かしてしまうという
悲しいお話です。
このお話はオペラにもなっていて、ロシアでは有名なお話です。
この二人が、トナカイや馬の引くソリに乗ってロシア中を巡り、良い子にプレゼントをくれる役目をもらいました。
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