ヨゥラスヴェイナル

羊小屋のでくの坊(Stekkjarstaur)
12月12日、最初のヨゥラスヴェイナルが山から町へ下りてきます。 その1番目の名前が“羊小屋のでくの坊”くんです。 山から下りてくると、羊小屋にこっそり忍び込んで、羊のお乳を飲もうとするのですが、 足の関節がガチガチに固まっていて、うまく飲むことができないんだとか。 おかげで羊たちが迷惑して騒ぐんだそうです。 時々羊を思いっきり蹴ったりすることもあるようで、羊にとっては本当に迷惑ですね。 13人のうち1番最初に山から下りてきた羊小屋のでくの坊は、1番最初の12月25日に山へ帰ります。

渓谷の無骨者(Giljagaur)
12月13日に岩だらけの山から下りてくるのは“渓谷の無骨者”です。 今度は牛のお乳を狙っていて、牛小屋にそっと忍び込みます。 まだ搾乳機のなかった時代、桶の中に牛乳を搾ると表面にクリーミーな泡ができました。 その泡の部分が大好きで、乳搾りをしている女の人が牛飼いに色目を使っている隙に、 桶の中から上澄みをすくいとって飲むそうです。 山へ帰るのは12月26日です。

おチビ(Stufur) 別名 鍋こすり(Ponnuskefill)
12月14日には、おチビさんがやってきます。 一説によると、山を出るのは一番早いのですが、あまりにも身長が低いので、 雪に埋もれて山道を下りるのに時間がかかり、到着するのが3日目なんだとか。 異常なまでに身長が低く、ずんぐりむっくりしています。 おチビさんは、お鍋の底や縁に残った食べ物のカスやおこげが大好きで、 お鍋を見つけると食べかすを綺麗にこそげ落として、大慌てで逃げていくそうです。 背が小さいので、プレゼント用の靴は床の上に置いておいた方が良さそうです。 山へ帰る日は12月27日。

スプーン舐め(pvorusleikir)
12月15日に現れるのは“スプーン舐め”です。 棒のようにやせ細っていて、料理用の柄の長い木のスプーンを舐めるのが大好きです。 台所に人がいないと大喜びで侵入し、スプーンを両手で握って舐めるのです。 このスプーンはつるつるしていて滑りやすいそうで、しっかり握ってスプーンについた食べ物の味見をしているのでしょう。 12月28日に山へ戻っていきます。

壷舐め(Pottasleikir)
12月16日、5番目に現れるのは“壷舐め”です。 壷に残った食べ物を舐めるのが好きなのですが、ちょっとしたイタズラもします。 山から下りてくると家のドアをトントンとノックして、子どもたちが誰だろうとドアを開けに行っている間に、 大急ぎで壷に残った食べ物を舐めてしまうのです。 山へ帰るのは12月29日です。

ボール舐め(Askasleikir)
12月17日には“ボール舐め”が山から下りてきます。 ぞっとするほど醜い顔をしていて、ベッドの下に隠れています。 そして、誰かが犬や猫に舐めさせてやろうと、Askurと呼ばれる蓋つきの深皿を床の上に置くと、 目にも留まらぬ早業でそれをつかんで綺麗に舐めてしまうそうです。 12月30日に山へ帰って行きます。

ドアぴしゃり(Huroaskellir)
12月18日は“ドアぴしゃり”がやってくる日です。 アイスランドの12月は太陽が出ている時間が短く、日中も薄暗い黄昏のような時間が続きます。 そんな黄昏時、人々がまどろんでいると、“ドアぴしゃり”がやってきて、 ドアをバタンバタンと大きな音を立てて開けたり閉めたりします。 おかげで人々は眠ることができません。 “ドアぴしゃり”は、ドアが壊れそうな勢いで閉まる音や、蝶番がきしむ音が大好きなのです。 12月31日に山へ帰ります。

※ヨゥラスヴェイナルの名前( )内は都合により一部変更してあります。 また、日本語名はオリジナル訳をつけています。 もっとちゃんとした日本語名をつけている人がいるに違いない・・・。





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