シルキーは、主にイングランドにいる妖精・・・
というよりは、実は幽霊・亡霊の類と思われる存在です。
シルクの服を着ていて、その衣擦れの音から
silkyと呼ばれるようになったと言われています。
シルキーは必ず女性で、ブラウニーやトロール、ホブゴブリンなどに似て、
家事を手伝ってくれるため、妖精と考えられますが、
不幸な死をとげた女性の幽霊だとも考えられています。
城主に殺された女性の幽霊・・・なんて血なまぐさい話もあります。
シルキーは貴族などのお屋敷に憑く妖精で、
人間の使用人たちに混じって仕事をしています。
「あの娘、顔は見たことあるけど、誰だかわからない。」という場合、
たぶん彼女はシルキーです。
シルキーは、お屋敷自体に憑いているので、
その家の主人が代わろうが、別の家族が住もうが、いなくなったりしません。
ブラウニーやホブゴブリンたちと違って、
毎日部屋の片隅にミルクを置いておく必要もありません。
見返りは求めないのです。
その代わり、シルキーを怒らせると、
お屋敷から出ていく羽目になるのは人間の方!
イタズラの集中攻撃ならまだしも、
殺されてしまうこともあると言われます。
最も有名なシルキーが、イングランドのニューカッスルの近く、
ヘドン・ホール(デルドン・ホール)というところにいます。
このシルキーは、お屋敷の主人が代替わりをし、新しい主人とそりが合わず、
怖がらせてお屋敷から追い出してしまったそうです。
なんと20世紀にも、シルキーに追い出された人の話が伝わっています。
また、シルキーは散らかっている部屋はキレイにし、
片付いている部屋は散らかすとも言われていて、
ブラウニーやホブゴブリンたちともよく似てますね。
シルキーは、“妖精”と“幽霊”が、いかに似た存在であるかの代表のような妖精です。
このように幽霊のような妖精の伝承は、家につく妖精のお話と同じぐらいたくさんあります。
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